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ウイルス分離同定検査

ウイルス分離、同定検査を実施するためには適切な分離用検査材料を採取することが大切です。しかしウイルス分離材料の選択は、臨床症状から病原ウイルスの推定が可能な時に容易ですが、これが不可能なときは病変箇所を推定し、それにもとづいて材料を採取して下さい。

区分	臨床症状	検査材料	分離可能ウイルス
ウイルス分離・同定	呼吸器感染症	咽頭ぬぐい液	インフルエンザ、パラインフルエンザ、ＲＳ、アデノ、サイトメガロ、単純ヘルペス、コクサッキー、エコー
	呼吸器感染症	糞便	アデノ、コクサッキー、エコー
	水疱性発疹症	水疱内容	単純ヘルペス、水痘・帯状ヘルペス、コクサッキーA16、エンテロ71
	水疱性発疹症	咽頭ぬぐい液糞便	コクサッキーA16、エンテロ71
	非水疱性発疹症	糞便、咽頭ぬぐい液	コクサッキー、エコー
	無菌性髄膜炎脳炎	髄液、咽頭ぬぐい液	コクサッキー、エコー、ポリオ、エンテロ71、単純ヘルペス、水痘・帯状ヘルペス、ムンプス
	無菌性髄膜炎脳炎	糞便	コクサッキー、エコー、ポリオ、エンテロ71
	流行性角結膜炎急性出血性結膜炎その他眼疾患	結膜ぬぐい液	アデノ、単純ヘルペス、水痘・帯状ヘルペス
	耳下腺炎	咽頭ぬぐい液	ムンプス
	嘔吐下痢症胃腸炎	糞便・咽頭ぬぐい液	コクサッキー、エコー、アデノ
	出血性膀胱炎	尿	アデノ
	先天性異常	尿、咽頭ぬぐい液	サイトメガロ、単純ヘルペス、水痘・帯状ヘルペス
単純ヘルペス分離培養	性器ヘルペスヘルペス性角膜炎無菌性髄膜炎皮膚疾患、口内炎その他関連疾患	性器病巣ぬぐい液結膜ぬぐい液髄液皮膚病巣ぬぐい液咽頭ぬぐい液　他	単純ヘルペス

(注意事項)

１．採取容器は材料・目的別に専用容器をご利用下さい。
79：ウイルス分離一般用 80：ウイルス分離糞便用 81：ウイルス分離HSV用

２．分離目的ウイルスを明示して下さい。
　　例)　インフルエンザ、単純ヘルペス等

３．検体は無菌的に採取保存して下さい。

４．保存条件を厳守して下さい。

５．ウイルス分離同定検査では、ウイルス分離陽性の場合のみ同定を実施します。

６．発病後できるだけ早期に(3～5日以内)適切な部位から検体を採取し、お送り下さい。

７．サイトメガロウイルス、水痘・帯状ヘルペスウイルス、RSウイルスは、凍結保存により著しく活性が低下しますのでご注意下さい。

８．単純ヘルペスウイルスのみを検索する場合は、"単純ヘルペス分離培養"をご利用下さい。