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CF(補体結合反応)
抗原抗体反応がおこるとその複合体に補体が結合し活性化されて、非特異的反応がおこるという現象を利用した血清反応である。一定量の補体を加えてその補体の消費量から抗原抗体反応そ推定するものである。抗原抗体複合体の量が多い程多く補体は消費され、その反応後、ヒツジ赤血球に対する抗体を結合させた感作赤血球を加えると、残存する補体が結合し、溶血をおこす。目的とする抗体あるいは抗原が陰性の場合、抗原抗体反応はおこらないため補体は消費されず、感作赤血球を完全に溶血する。また、抗体(抗原)が陽性の場合、その反応に応じて補体は現象するため、溶血の程度が弱くなる。
CLIA
抗体あるいは抗原を科学発光性物質(ルミノール、アクリジニウム誘導体など)で標識し、抗原抗体反応後に、結合型(Bound:B)または遊離型(Free:F)中の標識物質の発光を検出、測定する。
EIA
抗原または抗体の一方を酵素で標識し、抗原抗体反応の結果を酵素反応に変換して発色させ、抗原または抗体の定性的、あるいは定量的検査をするもの。固相法を用いた場合をとくにenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法と呼ぶ。標識酵素にはアルカリフォスファターゼ、β-グルコニターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコース6リン酸脱水素酵素などが利用される。また検出方法としては、比色法あるいは蛍光法が用いられる。酵素の代わりに放射性同位元素を用いたものがRIA法である。
FISH
ビオチン-dUTP(deoxy uridine 5'-triphoshate)あるいはジゴキシゲニン-dUTPを標識したDNAプローブを用いて、染色体DNAとハイブリダイゼーション(分子雑種の形成)を行い、その後、アビジン-FITCあるいは抗ジゴキシゲニン-ロ-ダミンと結合させて染色体上の対象とする座位を蛍光シグナルとし、蛍光顕微鏡下で検出する方法。感染病原体の遺伝子の検出などに応用される。
FPIA(fluorescence polarization immuno assay:蛍光偏光免疫測定法)
基底状態にある蛍光物質は光を吸収すると励起状態に移行し、一定時間が経過した後、蛍光を発して基底状態に戻る。この時照射する光を蛍光物質の分子内の特定の軸に対し平行な振動方向をもつ光(偏光励起光)にすると、同じ振動方向の蛍光(蛍光偏光)を発する。これは蛍光物質が抗体などの高分子物質に結合(固定)している状態でおこり、遊離状態の場合は分子運動が激しく、蛍光は発するが偏光が解消される。このことを利用して、分子量の比較的小さい物質の測定に用いられる。一定量の蛍光標識物質と試料中の非標識物質とをその抗体に対して競合的に反応させる。この抗原抗体反応と蛍光偏光度との関係から、標準液と比較して試料中濃度を求める。
FSA
PCR法により増幅させた2本鎖DNAのうち、一方のDNA鎖を蛍光標識物質FITCで標識し、その標識DNA鎖をオートシークエンサーにより、SSCP解析する。DNAシークエンス法とは塩基配列を決定する方法であり、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分子量に従って分離し、レーザー光などで読み取るものである。
FSSA
FITCで蛍光標識したプライマーとビオチンで標識したプライマーを用いて試料中の遺伝子をPCR法により増幅し、PCR産物の2本鎖DNAを一本鎖化する。FITC標識プライマーで増幅させたDNA鎖についてオートシークエンサーを用いたSSCP解析を行い、また、ビオチン標識由来のDNA鎖については、ダイレクトシークエンシングによる塩基配列の解析を行う方法である。
GL(Gas chromatography)
高沸点、非揮発性の合成液体シリコンまたは長鎖炭化水素類の液体固定相を用いたガスクロマトグラフィーのこと。この液体固定相を均一な微粒子状多孔質の担体に薄膜状にコーティングしたものを充填剤として用い、分離管に詰め(充填カラム)、または液体固定相を内壁に塗布した毛細管(キャピラリーカラム)を目的物質が気化しやすいように高温(100~350℃)に保持する。移動相(キャリアーガス)を一定の流速で通じておき、カラムの入り口から混合試料を導入すると、キャリアーガスと共にカラム内を移動して混合物が分離される。カラムから分離溶出された各成分を熱伝導度検出器(TCD)水素炎イオン化検出器(FID)などで検出、測定する。
HA(赤血球凝集反応:hemagglutination)
赤血球の膜表面に存在する抗原に対して、種々の抗体反応させ、凝集の有無を調べる反応である。ABO式、Rh式血液型判定や、不規則抗体など免疫同種抗体の検出などに利用される。
HI(赤血球凝集抑制反応)
インフルエンザウイルスなど多くのウイルスにはヒトの赤血球以外に、他の動物の赤血球を凝集する性質がある。例えばインフルエンザウイルスの場合、ニワトリ赤血球を凝集する(Hirst現象)。このような現象は赤血球表面にウイルスが吸着し得る構造またはそのウイルスと対応するレセプターが存在するためウイルスの仲介によっておこる凝集反応である。このHI法ではまずウイルスとこのウイルスに対する抗体を反応させ、次いで赤血球を加えると凝集反応が抑制されるということを基に、凝集抑制を示す患者血清の最高希釈倍率を抗体価(HI価)とし、抗体の存在を確認する。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)
液体クロマトグラフィーとは移動相に液体を用いたクロマトグラフィーである。HPLCでは分離の場である、カラムの充填剤に球状の粒径(3μm、5μm、10μm等)が揃ったものを使用して、カラム内を極めて密なものにしている。そのためカラムに移動相を送液すると抵抗が増すことから、一定の流速を保持し、高速分析を行うために、高圧の送液ポンプを用いている。検出方法としては紫外、可視、蛍光光度計や示差屈折検出器などにより検出、記録し、得られたクロマトグラムよりそのピークの高さやピーク面積を求めて定量する。広範囲の種類の測定が可能である。
IFA(間接蛍光抗体法)
蛍光抗体法には直接法と間接法がある。直接法とは目的とする抗原と、それに対する蛍光色素で標識した抗体との抗原抗体反応である。それに対し、間接法では抗原と非標識抗体とを反応させた後、その抗体に対する蛍光標識抗体を反応させ、その反応物(抗原-抗体-蛍光標識抗体)の蛍光を測定する。検出対象としては、直接法では組織や抗原(例えばHBs、HBc、Hbe抗原)の有無、局在などであり、間接法では膠原病、その他自己免疫性疾患の検査として抗核抗体(自己抗体)の検出法に利用されている。標識に用いる蛍光色素はFITC(fluorescein isothiocyanate)や、ローダミンイソチオシアネートなどで、蛍光は蛍光顕微鏡下で観察される。
IRMA(immuno radiometric assay)
あらかじめ固相体に結合させた抗体に抗原を加え反応させ、抗原を固相体上の抗体に結合させた後、125Iなどの放射性物質を標識した標識抗体を加えると、固相抗体に結合した抗原に結合する。固相抗体-抗原-標識抗体のサンドイッチ型結合物ができるので、その放射能をカウントして、標準物質のカウント数から得られる曲線より、試料中の抗原濃度を求める方法である。
LA(ラテックス凝集反応:Latex agglutination)
抗原または抗体をポリスチレンラテックス粒子に吸着させたものに、対応する抗体(抗原)を加えると凝集がおこることから、試料中の抗体または抗原を検出する方法である。
MASA
癌遺伝子の1つであるK-ras遺伝子はCodon12、13、61の領域において各々決まった形の突然変異(1個の塩基が別の塩基に置換)をとる。従って、各々の突然変異型に合わせたプライマーを用いて特異的にPCRを行うことでその変異部分のみ高感度に増幅することができる。従来のプライマー設定法では正常と変異両方を増幅するため、正常部分が多い場合、変異を検出するのは困難であったが、MASA法では、従来法の約1000倍の感度で変異を検出することができる。
NT(中和試験)
ウイルス粒子にそれに対する抗体を反応させると、特異的に中和が成立してウイルスの感染力が低下するということを利用した抗体の測定法。患者血清にウイルスを加えた反応液を、そのウイルスが感染性を示し得る培養細胞に接種し、細胞変性効果(CPE)など培養観察をする。感染ウイルスの活性を50%阻止する血清希釈倍数をもって(50%)中和抗体価とする。
PA(受身凝集反応)
抗原性を示すタンパク、多糖体、脂質などを吸着させた粒子を各々に対応する抗体と混ぜると凝集が起こるということを利用した凝集反応。抗原を吸着させる粒子として、ラテックス粒子(ラテックス凝集反応)、ゼラチン粒子など、一定の形をもつものが使われる。
PCR
遺伝子検査において、微量のサンプルでも高感度な解析を可能とするために開発されたDNA増幅法である。PCR法には3つのステップがあり、まず第1に約94~96℃の熱により2本鎖DNAを1本鎖へ変性する(熱変性)。第2のステップは温度を下げ(約40℃)、目的とする領域をもつプライマー(約20塩基)を1本鎖DNAに結合させ(アニーリング)、そして第3のステップとしてDNAポリメラーゼを用い、74℃前後の温度にてDNAを合成する(DNA鎖の伸長)。以上の反応を約25~40サイクル繰り返す。20サイクルで数十万倍の増幅が見られる。
PHA(受身赤血球凝集反応)
赤血球の膜表面上に抗原を人工的に吸着させ、これを抗原とし、対応する抗体を反応させて凝集をおこす受身凝集反応。
RIA(放射免疫測定法)
放射性同位元素をラベルした物質(標識抗体)を用いて得られる抗原抗体反応物の放射能から抗原濃度を測定する方法である。測定物質を抗原として、同じ抗原性を示す標識抗原とで、それに対する抗体に競合的に反応させる。この時、標識抗原と抗体の量は共に一定で、抗原と抗体が結合したものを結合型(Bound:B)、結合しなかった抗原を遊離型(Free:F)という。反応終了後、BとFを何らかの方法で分離し、Bの放射能を測定する。試料中抗原濃度と標識抗原-抗体の結合率とは逆比例の関係にあることから、標準物質を測定して得られる標準曲線から試料中抗原濃度を求める。また抗体の代わりに血液中の特異的結合蛋白を用いた場合を競合蛋白結合測定法(competitive protein binding assay:CPBA)と呼ぶ。
RPHA(逆受身赤血球凝集反応)
赤血球表面に凝集がおこらない程度に抗体を結合させ、これを感作赤血球という。この感作赤血球上の抗体に対応する抗原を反応させて、凝集反応をおこさせる反応である。
RRA(放射受容体測定法)
RIA法、CPBA法で用いる抗体、特異的結合蛋白の代わりにホルモン、薬物などの受容体(receptor)を使用した測定法である。測定原理はRIA法、CPBA法と同様で、ホルモンなどの生物学的活性を測定するものである。
RT-PCR
RNAの検出を目的とし、逆転写酵素によって相補的DNA(cDNA)を合成させ、このcDNAに対しPCR法を行う。この結果より、標的RNAの存在を知ろうとする方法。
SRID(単純放射状免疫拡散法)
抗体を含む寒天またはアガロースゲルを平板状に固めたものに小孔をあけ、一定量の抗原溶液を添加すると、抗原は拡散し、抗原と抗体の最適比の所に抗原抗体反応による沈降輪が生じる。抗原濃度と沈降輪の面積(又は直径の2乗)は比例関係にあるため、既知濃度の抗原を測定して得られる検量線から抗原濃度を求める。
TIA(免疫比濁法)
試料中の抗原(または抗体)に対応する抗体(または抗原)を加えると抗原抗体反応により、複合体を形成する。この抗原抗体複合物は反応後の濁りとして現れるため、光を照射した時の透過光の減少率から抗原(抗体)の量を求める。反応液の濁りは抗原(抗体)の量に比例するため、標準曲線を用いて測定する。
TR-FIA(時間分解蛍光免疫測定法)
励起光を照射した後、バックグラウンドの励起光が消失した後、蛍光のみを特異的に測定する時間分解蛍光測定装置と、免疫反応とを組み合わせた方法である。標識する蛍光物質にユーロピウム(Eu)を用いて、抗原抗体反応の後、Euイオンのキレート化合物の蛍光のみを選択的に測定する。
UV法
比色法のうち紫外部波長の光を用いて定量する方法。補酵素であるNADH、NADPHは紫外部波長の340nmに最大吸収を持つことを利用して、これら補酵素を用いた酵素反応を扱う場合、340nmにおける比色分析を行うことが多い。
炎光光度法
ある金属原子を含む試料をバーナーの炎の中に噴霧すると、加熱により、金属原子は基底状態となる。その一部はさらに熱エネルギーを得て、高いエネルギー準位の励起状態となる。しかし、この状態の原子は不安定であるため速やかにより安定な基底状態に戻る。このとき、励起状態と、基底状態のエネルギー差はその原子に特有のものであるあため、原子固有の波長の光(輝線スペクトル)を発する。これを炎光という。輝線スペクトルは一定条件下では試料中の元素濃度に比例することから標準液の炎光強度と比較して測定する。
クロマトグラフィー
固定相と呼ばれる大きな表面積を持つ物質と、これに充分に接して流れる移動相と呼ばれる物質との間に分離される物質(溶質)の混合物を分布させ、この両相への溶質成分の親和性の差を利用して、移動相の移動につれて両相への溶質成分の分布平衡を移行させ各成分に分離していく方法。固定相にはシリカゲルなどの微細粒子を吸着剤としてクロマト管に充填したカラムクロマトグラフィー、薄層プレートとした薄層クロマトグラフィー、あるいは濾紙を用いた濾紙クロマトグラフィーがある。また、移動相が液体の物質の場合を液体クロマトグラフィー、気体の場合をガスクロマトグラフィーと呼ぶ。
蛍光光度法
試料中の蛍光物質に一定の波長の光(紫外線などの励起光)を照射するとその分子は励起され次いで基底状態に戻るとき励起光より波長の長い光(蛍光)を発する。一般に蛍光物質の濃度が低い場合には蛍光の強さは濃度に比例する。蛍光の強度は光電子増倍管により増幅して測定し、標準物質との比較により濃度を求める。
原子吸光法
金属塩を含む試料を炎中に噴霧し、熱解離により基底状態の原子蒸気を作る原子化を行う。それに原子固有の共鳴線(輝線スペクトル)を照射すると、光の吸収がおこる。これを原子吸光といい、原子蒸気中の原子の数に応じて吸収が起こるため、吸光度を測定することにより、試料中の目的元素を求める分析法である。
酵素法
目的成分に対し特異的に反応する酵素を用いて、試料中の濃度をその成分の減少や生成物の増加から比色法などにより測定する方法である。
試験紙法
成分により異なる試薬(酵素、pH指示薬等)を濾紙に浸み込ませ乾燥させたもの(試験紙)に試料を浸すと、試薬との化学反応、pH変化等による色調の変化から目視的、又は特定波長の光照射による反射光強度と標準濃度との比較により求める定性検査である。
電気泳動法
電解質溶液中に表面が荷電状態にある様々な分子(粒子)が存在するとき、これに通電すると荷電状態に相反する電極に向かう分子(粒子)の移動が生じる現象を利用したものである。各分子の移動度から目的物質を定量していく。各種蛋白の他、核酸の分離分析、また、アイソザイムの分画などへも応用される。
電極法
イオン選択電極を用いる電気化学的分析法。ある一定条件のもとで溶液中における特定のイオンに応答し、そのイオンの活量の対数に比例する電位差を生じる電極であり、電位一定の比較電極を対極としてその電位差を測定し、イオン活量を求める方法である。
二重免疫拡散法(Ouchterlony法)
寒天ゲル平板に作った穴に抗原と抗体入れ、寒天内で二次元方向に拡散させると、両者の最適比のところで沈降線を生じる。沈降線の形状(融合、部分的融合、交叉)、及び線の数から抗体と抗原との反応の性質を分析する方法である。
比色法
目的物質、あるいは反応成物を、発色物質に変化させ、その物質特有の波長光を照射すると、溶液の濃度に比例して光は吸収され、透過する光の量は減少する。この関係を利用して既知濃度の標準液の発色との比較により、濃度を算出する方法である。
比濁法
沈殿(混濁)反応を呈する物質の溶液中濃度を反応液の濁りの強さ(濁度)の測定により求める方法である。比色法と同様に溶液中の浮遊物質の濃度と入射光の吸収量が比例するという関係を利用し、定量する。
比ろう法(Nephelometry)
溶液中の物質(粒子)に光を当てると、散乱光を生じ、この散乱先を一定の角度で測定する。溶液中の粒子の数に比例した散乱先が得られることを利用して、目的とする物質の濃度を測定する。
フローサイトメトリー
細胞の浮遊液から一列の等速度の細胞の流れを作り、電界中を通過する細胞によって発生する電気抵抗の変化量で細胞の大きさを測定し、計数する。あるいは、細胞にレーザー光を照射して、ここの細胞の大きさや性状に応じて放出される、散乱光や抗原陽性を示す蛍光を測定し、細胞の分類、計数を行う方法である。セル・ソーターという特定の細胞集団を分けて集める装置により、細胞表面抗原の検出、さらに、核酸に関するパラメーターも測定することが可能。
分岐鎖プローブ法
分岐鎖を有する合成プローブを用いて、それと特異的に反応するDNAを測定するDNAハイブリダイゼーション法である。検出のためのシグナルとなる分岐鎖を増幅し、科学発光させて検出する。迅速かつ高度な検出が可能。
LAMP法
遺伝子増幅法のひとつであるLAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法は一定の温度でインキュベートすることにより増幅から検出まで1ステップで行うことができる。高い増幅効率、高い特異性から、増幅の有無で目的とする遺伝子の有無を判定する。
LC-MS/MS法
LC-MS/MSは高速液体クロマトグラフ(HPLC)と質量分析計(MS)を2段結合させた装置。試料をHPLCにより分離し、1台目のMSでイオン化させ質量毎に分離(プリカ-サーイオン)する。これを不活性ガスと衝突させ、1台目のMSで選択したイオンから生じた2次的イオン(プロダクトイオン)を2段目のMSで計測する。 。2回の質量分離を行うため高い分離能と特異性が得られるため、試料中の夾雑成分の影響を受けにくく信頼性の高い正確な定量を行うことができる。
RPHA法
検出しようとする抗原に対する抗体をヒツジ赤血球などに吸着させたものと被検血清とを反応させる。凝集すれば抗原は陽性と判定される。
ハイブリッドキャプチャー法
ハイブリッドキャプチャー法(HC法)は、RNAプローブを用いて検体中のDNAとハイブリダイゼーションを行い、生成したDNA/RNAハイブリッドを特異抗体を用いてイムノアッセイで検出するものである。DNA増幅操作を行わずに高感度に目的遺伝子を検出することが可能である。
リアルタイムPCR
リアルタイムPCR(Real-time PCR)は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸増幅および蛍光強度測定の操作を所定サイクル連続的に繰り返し、各サイクルのPCR産物をリアルタイムにモニターしながら、鋳型となるDNAの検出または定量を行う。
ECLIA法
抗原抗体反応を原理とし、抗体を結合した磁気感応性ビーズに抗原を反応させる。この抗原抗体結合物にルテニウム(Ru)錯体を標識した抗体を結合させて、このRu錯体を電気化学反応により発光させ測定する方法。
ELISPOT法
サイトカインを高感度に検出する検査法の一つ。単一細胞レベルで分泌されたサイトカインを通常のELISA法の数十倍以上の感度で測定が可能で、100,000個中1個の細胞という低レベルでも検出可能とされる。結核菌感染既往を検査するT-SPOT.TB検査に用いられており、抗原により刺激してIFN-γ産生細胞数を計測することにより感染診断を行う。
GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)
測定飼料をガスクロマトグラフ(GC)に導入することによって分離された各成分は、連続的に質量分析計(MS)のイオン源に導かれてイオン化される。生じた正または負のイオンは質量分離部(アナライザー)に入り、磁場や電場などによって質量/電荷数(m/z)に応じて分離されたものを検出記録し、解析を行う。質量スペクトルまたは検出された特定のイオンから定性を、イオン量に対応する電流量から定量を行う。